<M女の残り香> | キャリアウーマンのそれぞれ -「タレントの卵・営業日誌」連載中-

<M女の残り香>

これは先日の記事<M女の香り> のラストに登場した友達の話しの続きです。






M志向のある友達に出来た新しい彼が、全くSMに興味がないと言う相談を受け
私と2人で綿密な計画をたてて、彼をSに逆調教しようとした結果なのですが・・・


結果から言うと惨敗でした。



その報告に来てくれた友達と、2人でお茶しながら
「やっぱり、元々素質があるかどうかにもよるよねぇ」という話しになりました。


でも、彼にS志向がないと言うだけで嫌いになってしまった訳ではなく
彼女としてはエッチの際の悶々とした消化しきれない気持ちを
どうすればいいのか、かなり迷っている様子でした。




仕事も真面目なようで、将来を考えられるような彼が出来たと喜んでいたのですが
結婚を意識するのであれば、性の微妙なズレはかなりの問題を残すということで
友達は「それさえなければ100点満点の彼」と評価していたのに・・・。






私も1度会わせてもらったのですが、友達の彼としても将来の相手としても
特に不足な部分は見当たりませんでした。
話しに聞いていた、エッチの不一致部分を除けば・・・。



その後、友達がいくら、それらしい雰囲気に持ち込もうとしても
彼の方にはそういう概念すら沸かないようで
「本格的なSMでなくてもいいから」と言う友達のささやかな願いが
叶うことはなかったようでした。


その時も2~3時間ほど一緒にお茶を飲みながら話しを聞いていたのですが
友達の雰囲気の中に、M女の香りは薄れていました。






その後、連絡があったときには、その彼とは性の不一致部分が災いしたのか
「もう一緒にはいられない・・・」と、泣き声でした。

話しをよく聞いてみると、微妙なズレが気持ちのどこかに常にあったそうです。
エッチの満足感のないままの状態が普通のデートの時にもズレになっていたようでした。


そして、友達の方から彼に別れを告げて半月ほどたった頃
私とお茶した時には、M女の香りはすっかり消えているように見えました。





私はSMだけが異常に特殊な好みだとは思いません。
例えば、友達が淡白なのに彼が精力絶倫だったりしても、きっとこんな結末が待っていたのだと思います。


たまたま性に対する方向性が、微妙にズレていた・・・。

お互いの性格や育ってきた環境などが将来の伴侶として、十分に思えても
性の不一致は性格の不一致を誘発することもあるのだと思います。





それから3ヶ月ほどたったある日、友達から連絡があって
新しい彼が出来たという話を電話で聞きました。

ウキウキした声だったので「今度は大丈夫なの?」と遠回しに聞いてみました。

「今度は大丈夫だと思う。普通にエッチしてても言葉攻めしてくるし。
 ちょっと素質ありそうなの♪
 前に計画してたヤツ、今度の彼に試してみるつもり~」


「じゃあ、成功したら、計画料でランチくらい奢ってね!」


ダメ元でネタを振っておいたのです・・・(笑)







1ヶ月もしないうちに友達から連絡があり

「着々と育ってるのよ~!自分で縛り方も調べてくるし!
 ごっこ遊びの延長って言いながら、ノリノリだしね~!」


「そっか、そりゃ良かった!ランチ(=´ー`)ノ ヨロシク」


私は次の週に(ファミレスだったが)ランチをゲットした。
当然、友達の払いで(笑)






翌月には新しい彼を紹介してもらった。

私には、前の彼とは正反対のタイプに見えたけれど
前の彼の時のような、よそよそしい雰囲気はなく
2人の間には、深い繋がりと信頼関係が育っているように感じた。


彼に会わせてもらった2日後、友達からお茶に呼び出された。
私の彼に対する感想を聞くためだった。


「どう?全然Sっぽくないでしょ?」


そう言いながら、友達の目はうるうると幸せそうに光っている。




確かに、ぱっと見は全くSM嗜好のある人には見えない。
友達からの報告とは全然別人に見えた。

案外、のんびりした雰囲気を持ってる人の方が、イザと言う時とのギャップがあるのかもしれない。

Sの男性に比較的多い、一見無頓着風・・・などなど。


私は見たままの感想を伝えた。





「でもね、一番肝心なエッチの好みが一致してると自分が素直になれるから
 ちょっとした行き違いもちゃんと話し合えるし、ズレも修正出来ていく感じ。
 やっぱりエッチって大事だよね~」


自信満々に語る友達の回りには、M女のオーラが復活していた。






それから1年がたち、2人は結婚に向って準備を始めている。
どんな些細なことでも、ちゃんと話し合って、お互い納得いくようにしていると言う。

この2人はきっと、これからもそうやって乗り越えていけるのだろう。




先月、結婚準備の報告を聞かされた時には、かつて性の不一致で悩んでいた頃の面影はなく
M女の香りを纏い、キラキラと輝いていた。

「色々相談に乗ってくれて、ありがとう。ここは私が奢るね」


そう言って伝票を持って立ちあがった彼女の座っていた席には、M女の残り香が漂っていた。








またSM談議かい?!と思っても、一応 1クリックヨロシク(*- -)(*_ _)ペコリ (笑)