<超現象ー3> | キャリアウーマンのそれぞれ -「タレントの卵・営業日誌」連載中-

<超現象ー3>

この記事は<超現象ー1> からの続きです。
先にお読みになってから、この記事をお楽しみ下さい。


(順にリンクを辿っていけるようにしてあります。)



ストーリー仕立てになっておりますが、こちらは実話です。






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「ねぇ・・・大下さん。公園でって、大きな木?
 1本だけポツンと離れてるように生えてる木じゃなかった?

 すんごい大きな木で、高さが何mか、わからないけど、葉が生い茂ってて
 木の下は陽が当たらなくてジメジメしてるんじゃない?
 で、変な位置から妙な枝が出てない?」



私は頭の中の映像を一生懸命に説明しました。




映像を言葉で伝えるのは非常に難しいんです。
カラーで見えているのですが、見えてる色を表現するのに、とても苦労します。

でも、見えることを自体を伝えるより、見えているものを伝えることを優先しました。

「何故見えるのか」より、見えてることを先に伝えておけば
この不思議な能力の説明もしやすいからなんです。





「うん、そう。そんな感じの木だったわ。みきちゃん、あの公園知ってるの?」


大下さんに公園の名前を聞いても、私は全く覚えがないし
この後で地図を見て確認もしましたが、1度も行ったことがありません。

と言うか、息子さんの彼女が勤めてたところにも、買い物へ行ったことすらありませんでした。
その現場の付近に、近づいたこともなかったのです。





木の周りに見える風景も一緒に説明したのですが、大下さんに言わせると
「行ったことあるのかと思った」くらいに、そのまんまの風景なんだそうです。


何故、見えるのかを説明して、理解を得ようとしている時に
またゾワゾワ感が強くなってきました。


1度「見える状態」になると、受信感度がよくなるようで、連続で見えることもよくあります。




「また、何か来た・・・」


大下さんに一言告げた直後、私の頭の中に1軒の家が見えました。



ファミレスの窓から見えるのと同じ程度の夕暮れ。
左の方向に沈み掛けた夕日。


中央に1本の道路。


道路の右側には3階建ての家。
瓦の屋根ではなく、洋館風。


回りが薄暗いせいなのか、家の壁は白ではなく、濃いグレーか茶のように見える。
3階の道路側の部屋の電気だけが点いている。


建物全体が見える訳ではなく、半分しか見えない。



私は見えてる映像を細かく説明した。






「その方向から見たら、手前の家で、うちの家は全部見えないのよね。
 だから、みきちゃんには半分しか見えないんだわ。
 壁はこげ茶なの。旦那の趣味でそういう暗い色にしたのよね・・・。」


見えている家は、やはり大下さんの家だった。

(仕事で知り合ったので、私は大下さんの家に遊びに行ったことは1度もない。)



でも、3階の1部屋だけに電気がついているように見えるのは何故なんだろう・・・?

私の中の疑問は、大下さんが答えてくれた。


「多分、電気がついてる部屋は息子の部屋だわ。」






基本的に私には死んだ人の関係は一切見えない。
それなのに、大下さんの息子さん関係に関してのみは見えてる。


ということは・・・


息子さんは自分が死んだと思っていないのではないだろうか?
それは成仏していないと言うことになる。


これはマズイことになりそうだ・・・と私は思ったので
以前からの知り合いで、霊関係が見える人に連絡を取ることにした。






大下さんの目の前で携帯から、知人に連絡を取った。

幸い、すぐに電話に出てくれたのだが、電波が3本立っているにも関わらず
バチッ!バチッ!とすごい音がして、通話が途切れそうになり
ゆっくり話しをしていられない状況だった。


知人も車の運転中で、イヤホンマイクでの通話だったこともあり
ざっと状況の説明だけをして、夜にでも連絡を取り直すことにした。





霊現象というのは電気や電波関係に一番出やすいらしいです。

大下さんの家のように、電気が点いたり消えたりすることや
電話がつながらなくなったりすることに出やすい現象のようなのです。
特に有線の電話より携帯の電波の方が影響されやすいらしい。


これは霊感があるなしに関係ないようで、霊が自分の存在をアピールしやすいらしいのだそうです。



大下さんの息子さんの場合は、自分自身が死んだと言う自覚はないみたいだけど
実際は死んでしまっていて、霊になってしまっている。
でも本人は生きていることを知らせたくて、生き物担当の私に一生懸命なアピールをしているのだ

と思いました。




恐らく、先ほどから私の頭の中に見える2つの映像は
息子さんが自分の居場所を教えてくれているのではないか?と感じたので
大下さんに説明しました。



「状況はよくわからないけど、自殺は狂言のつもりだったんじゃない?
 本人は死ぬつもりなかったんじゃないの?自分は生きてると思ってるんだよ。

 だから、私に見えるんだよ。だから私に見せてくれてるんだよ。
 本当に死んでるんだったら、私には見えないはずだもん。」








大下さんの息子さんは、公園を散歩していたおじいさんに発見され、警察に通報されたんだそうです。

救急車も呼んでくれたようですが、救急隊到着時には既に死亡が確認され
病院へ搬送されることもありませんでした。


首吊り自殺の場合は、自然死扱いになりません。
当然、警察で検死に回されたそうです。




大下さんが遺品の引渡しで警察に呼ばれ、引き取りに行った時
息子さんが使ったロープ、ポケットに入っていたものなどを渡されたそうです。


ロープを貰っても、処分に困るだろうに・・・とは思ったのですが
亡くなった息子さんの用意した私物になるわけですから
警察が勝手に処分する訳にもいかないと言うことなのでしょう。







その遺品の中に、大きなカッターが入っていたそうです。
息子さんのズボンのポケットに入っていたらしいです。


「ねぇ、みきちゃん、これってどう思う?
 苦しくなったら、自分でロープを切ろうと思ってたから
 ポケットに入れてたと思うのよ、私・・・」


彼女へ「SOS」のようなメールを送った直後に首を吊ったと思われるので
助けに来てくれる時間を計算していたのかも知れません。







でも、残念ながら首吊りの場合、苦しむ時間は1分もないのが普通で
体重などにもよるでしょうが、平均20秒から30秒という「ほぼ即死」なのです。


大下さんの息子さんは、多分そういう知識がなく
数分から数十分苦しむのだと思ったのではないでしょうか?

彼女が助けに来てくれないようだったら、自分でロープを切るために
ポケットにカッターを用意していたと考えるのが自然だと思います。






「やっぱり、死ぬ気で首を吊った訳じゃなかったんじゃない?
 だから余計に自分が死んでるってことがわかんないんだよ。
 まだ本人は生きてるつもりでいるんだわ。」


「でも成仏しなくてもいい。私の側にいてくれるなら、それでもいい。
 あの子が私の側にいてくれるなら、電気代がかかってもいい。」


大下さんの子供を思う気持ちは痛いほど伝わってきます。


でも、成仏しないってことは、浮遊霊になってしまう。
このままじゃ、息子さんも大下さんも前を向いて歩いていけない。






そうは思ったものの・・・
私はどう説得して、どう解決したらいいのか知識を持ち合わせていません。


取り合えず、霊関係の見える知人からの連絡を待って
どうしたらいいのか、このままでもいいのか確認を取って
もう1度大下さんと会うことを約束し、ファミレスを後にしました。








自宅に帰った私は、知人からの電話を待っていました。

ファミレスで感じたゾワゾワ感は少し薄れているものの、完全に払拭出来た感じになりません。

見えている映像のリアリティもなくならず、そのまま見えている状態です。


「おかしいな・・・。消えないや・・・」


そう思っていた矢先、知人からの電話が鳴りました。

慌てて携帯を取り、ファミレスで話した内容をもう1度伝えている時
知人じゃない声が混線し始めました。




最初は、トラックの無線でも傍受しているかと思っていたのですが・・・










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