<超現象ー4> | キャリアウーマンのそれぞれ -「タレントの卵・営業日誌」連載中-

<超現象ー4>

この記事は<超現象ー1> からの続きです。
先にお読みになってから、この記事をお楽しみ下さい。


(順にリンクを辿っていけるようにしてあります。)



ストーリー仕立てになっておりますが、こちらは実話です。






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私は知人(女性)と話しているはずなのに、知人じゃない声が混線し始めました。
知人を仮に松山さんとしておきましょう。




最初は、携帯がトラックの無線でも傍受しているかと思っていたのです。
男性の声が聞こえるような気がしたから、なんとなくそう思っていたのですが・・・。


松山さんじゃない声を、いくら聞き取ろうとして耳を済ましてみました。
いくら頑張っても、はっきりとした話し声として聞こえません。
何を言ってるのか、わからないんです。





トラックやタクシーの無線なら「了解」とか、誰が聞いてもわかる単語があるはずなんですが
私の携帯から聞こえてくる声は、ずっと連続していて、無線の通信ではないようでした。






最初は小さな声で聞こえていたのですが、徐々に声が大きくなり
かなりハッキリ聞こえるようになりました。


それでも私の耳に入ってくる音は
「おぇぇぇ・・・」「うぐぐぐぐっ・・・・」「うぉ~○$%z・・・」
と、唸り声にしか聞こえないんです。



これも私の直感でしかなかったんですが、突然「この声は大下さんの息子さんの声だ!」と思ったので
慌てて松山さんに今起きている現象を伝えました。






「あ!それだわ! さっき、子供と電話してたんだけど、うちの子にも聞こえたらしいの!


 『もうちょっと遅くなるけどいいか?』って確認の電話だったんだけど
 『男の人の苦しがってる声が聞こえる!怖い!』って言い出してさあ。
 でも私の携帯には聞こえないのよね。


 でも、子供はそれで怖がって『今から家に帰る!』って(笑)」




「最初は混線してるのか、無線でも傍受してるのかと思ったんだけど・・・何か違う感じだわ。
 大下さんの息子さんの声じゃないかと思ったんだけど・・・。


 そう言われてみれば、苦しがってる声にも聞こえる。
 首を締められているような、声が出にくそうな唸り声だわ」





こういうやり取りをしている間も、ずっと男の人が苦しがっているような声は聞こえ続けています。
何か言いたいのでしょうが、言葉になって聞こえないので
私には、なすすべがありません。


私は松山さんと電話していたいのに、これではもう聞こえないと言うほど
大きな声になってきました。








「やっちゃん!やっちゃん!(大下さんの息子さんの名前)
 何か言いたいのはわかるんだけど、私には聞こえないのよ!

 苦しいのはわかったから、なんとかしてあげようと思ってるから!
 だから、松山さんと話しさせてくれない?!」


私は思わず携帯に向って叫んでいました。


松山さんには聞こえないとはいえ、私が何をしたがっているのか
すぐに察してくれたようです。


私は大下さんの息子さんと思われる男性の声に向って、ずっと同じようなことを
何度も何度も繰り返し叫び、説得しました。







霊と話しをするなんて、私はこの時が初めての経験でした。
でも、大下さんの息子さんだと言う妙な確信があったせいか、怖いという気持ちは全くありませんでした。


むしろ、こうやって一生懸命にアピールしてくれるやっちゃんに

早く成仏してもらいたい気持ちで必死でした。

そのためにも、松山さんと話しをして対策を考えないと・・・と。






2~3分だったのでしょうか、5分ほどだったのでしょうか・・・
一生懸命に語り掛けているうちに、男性の唸り声は小さくなっていきました。


完全に聞こえなくなったわけではないのですが
私と松山さんとの会話に支障が出るほどの声の大きさではなくなってきたのです。


「待っててね、やっちゃん・・・」


そう言って、私は松山さんとの話しを再開させました。








松山さんの見解は、こういうことでした。


大下さんの息子さんは自分が生きていると思い込んでいる。
だから、私(生きてる人担当)に見えたり聞こえたりしている。


息子さんは自分が生きていると思い込んでいるので成仏していない。


身近な人で、あの世に行かせないくらいの気持ちの人がいるから
大下さんの息子さんがこの世に引き留められている。


一旦、息子さんを成仏させて、あの世に行かせてあげないと、引き留めている人もいつかは死ぬ。
引き留めていた人が普通に成仏して、あの世に行ってしまったら
息子さんの霊はこの世に留まって、浮遊霊や自縛霊になってしまう。


そうなってしまったら、あの世で再会というのも叶わないことになる。





もし、生まれ変わりというものがあるならば
引き留めていた人だけが成仏して、何年後か何十年後かに生まれ変わりを果たしても
成仏していない息子さんだけが生まれ変わることが出来ない。


生まれ変わりの概念は、縁のある人同士は、また縁のある状態になれると言う。
現世で親子や夫婦だったら、生まれ変わっても、また親子や夫婦になれると言う。


勿論、現世で悪いことばかりしてた人は人間に生まれ変われるかどうか保証はないが
ちゃんと人生を真っ当した人や、残された人の熱心な供養で、きちんと成仏した魂は
また人間界に生まれ変わって関わりあえると言う。


親と子の立場が逆転したり、夫婦の性別が入れ替わることもあるかもしれないが
来世でも、家族としてや大切な存在として関われると言う考え方らしい。





この説明を聞いた私は、妙に納得した。








でも、どうしてもわからないことが出てきた。


「誰がやっちゃんをこの世に引き留めているのだろうか・・・?」






この段階で、松山さんと2人で考えても、全ては推測の域を出ないのだけど
大下さん自身か、当時の同棲相手の彼女のどちらかだろう。
いや、両方かもしれない。


私は彼女に会ったこともないので、はっきりとしたことはわからなかったが
松山さんは確信を持っているかのように、こう言った。


「恐らく彼女のところにも何度か息子さんが現れてるはずなのよね。
 でも、彼女は怪奇現象を怖がって、怯えてる。
 だから、彼女のところには、ほとんど行ってないと思うのよ。


 消去法で考えると、大下さん自身じゃないかな?と思うわ。

 両方に会えると、もっとハッキリすると思うけど・・・?

 2人に会えば、みきちゃんでも読み取れると思う。」






そう言われても、私はさっきの説明をして大下さんを説得する自信もないし
彼女を呼び出す理由も思いつかない。


何より、私の担当分野は生きてる人だけが対象であって
死後の世界の話には、今まで全く興味がなかったのだから
2人を前に出来たとして、会って「見える」状態になったとしても
大下さんの息子さんをどうやって成仏させてあげたらいいのか、見当もつかないのだ。



私は悩んだ挙句、松山さんに同席を頼んだ。


松山さんの都合の良い日を2~3つ聞いて、大下さんの都合と彼女の都合を突き合わせて
セッティングする役に徹する事にした。




偶然、3人の都合は翌々日に折り合い、同じあのファミレスに集合することとなった。










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