キャリアウーマンのそれぞれ -「タレントの卵・営業日誌」連載中- -18ページ目

玲子の場合 第2章 ACT14

 山下と玲子の食事が終わる頃、関根常務がやってきた。
「すまないね、待たせてしまって。」
 残されているデザートの皿を見て、2人の食事が終わっているのを確認した。
「私も向こうで同じコースを頼んでいたのだが、どうだった?」

 山下が頭を下げながら、先に返事をした。
「美味しく頂きました。」
 玲子も山下の後に続き、言葉を添える。
「さすが、関根常務のご贔屓にしてらっしゃるお店ですね。味付けも盛り付けも気配りがありましたし、上品な器が綺麗で見惚れてしまいました。」
 素直に喜ぶ玲子の表情に、関根常務も顔が綻んだ。
「やはり、女性の見るところは違うねぇ・・・。」

 同じ料亭内の移動だった関根は、部屋に入ってきた時から既にスーツのボタンが外され、リラックスしたムードを漂わせていた。
 足を崩して座りなおした関根が山下に尋ねた。
「で、話しの方は大体してくれたのかね?」

 山下は関根と対照的に姿勢を直した。
「はい。ただ、本人からの意見を、私はまだ聞いておりません。常務に直接お話するように言いましたので。」
 山下は一呼吸置いて、玲子の方へ向いた。
「もう、僕は君の直接の上司ではない。君の率直な気持ちを常務に直接お話ししなさい。」

 関根の方へ頭を下げた山下は挨拶の言葉を口にした。
「私はこれで失礼させて頂こうと思います。」
 立ち上がり、部屋を出ようとする山下に関根が声をかけた。
「おいおい、そんな冷たいこと言わずに・・・一緒に話しを聞いてやらないのか?」
 山下は部屋を出たところで振り返った。
「いえ、私は彼女の上司ではありませんから。」
 もう1度頭を下げ「これで失礼します」と山下は帰っていった。

 きっぱりと言い切る山下を見ていた玲子は、捨てられた子犬のような気持ちになった。
 山下が最後まで同席してくれるものと思い込んでいただけに、不安に駆られたのだ。
 しかし、玲子は山下の最後は自分で自分に責任を持たせるように突き放すやり方が昔から変わっていないことに気がついた。
 山下は部下に揺るぎ無い信頼と愛情を持って、育て伸ばす・・・「そうだ、私は山下部長にまだ期待されているのだわ」と玲子は思った。

 部屋を出る時の山下の笑顔は玲子に向けられたものだった。
「頑張れ!自分の力でここまで登って来い!」と言われたのと同じだ。
 不安で一杯だった玲子は平常心を取り戻し、関根に自分の仕事に対する思いをどのように説明し、どの方向に持っていこうかと考えていた。

 黙ったままの玲子に関根が声をかけた。
「もう酒はいいのかな?まだ飲めるようなら頼むんだが・・・。」
 山下と一緒に飲んだ日本酒で酔いを自覚していた玲子は喉が乾いていた。
「いえ、熱いお茶を頂きたいのですが。」
 関根が部屋の隅の電話へ手を伸ばし、お茶を2つ頼むと、しばらくしてお茶が運ばれてきた。
「ここを片付けたら、しばらく声を掛けないでほしい。込み入った話しになるから。」
 お茶を運んでくれた女性が「わかりました」とデザート皿を下げ、部屋を出ていった。

 廊下の足音が遠ざかるのを待って、関根が玲子に話しかけた。
「さて、山下くんから説明されているとは思うが、この春に君を昇進させようと言う話しが出ているんだよ。女性の本社昇進は前例がないんでね、色々悩むことも多くて・・・。」
 関根は夕方の会議の内容を玲子にかいつまんで聞かせ、もう1度質問した。
「で、実際のところ、君の仕事に対する考え方はどうなんだね?」

 玲子は同僚からの嫉妬による嫌がらせに対する不安も、それに負けずにやっていきたい気持ちも全て正直に話した。
 包み隠さず話すことで、関根の判断を変えるようなことがあるのも承知の上だ。
 社内の人望も厚い関根の意見で玲子の昇進が決まることも、玲子はわかっていた。

 頷きながら聞いていた関根が黙って考え込み始めるのと同時に、玲子は突然尿意を催した。
 山下と一緒にいる時間を減らしたくなかった玲子は、会話の途中で中座してまでトイレに行かなかったのだ。
「あのぉ、大変申し訳ないのですが・・・化粧室に・・・。」
 玲子は露骨にトイレとは言えず、言葉尻を濁した。
「ああ、ここは離れになっていてね。トイレならその扉の向こうにあるよ。」
 関根は廊下の反対にあたる奥の引き戸を指した。

 玲子は部屋に案内される時に、日本庭園に見立てた中庭を見ながら、曲がりくねった廊下をしばらく歩かされたことを思い出し、この部屋が突き当たりの離れになるのだと理解した。
「すみません。」と玲子は一礼して立ち上がり、引き戸を開けた。

「あっ・・・。」
 玲子は小さな声をあげて絶句した。
 扉の向こうは灯りを落としたような畳の部屋になっていて、薄暗がりに目が慣れた玲子は、真新しいシーツを施された真紅のダブルサイズの寝具が設えてあるのを発見し、立ち竦んだのだった。

 玲子の背後には音もなく忍び寄る関根の姿があった。


------------------------------------------------

玲子の場合 第2章 ACT15 へ・・・

玲子の場合 第2章 ACT13

 先に着いた山下は丁重に部屋に案内された。
 関根は仕事関係だけでなく、プライベートでもこの料亭を利用しているのでかなり融通が利く。
 今日も夕方になってからの突然の予約にも関わらず、快く引き受けてくれたのは関根からの連絡だったからだ。

 山下が部屋に入ると3名分の席が用意されていた。
 上座に2名分の席が用意されているところを確認し、山下は入り口に近い方の席に着き、携帯のメールを確認していた。
 しばらくすると部屋係がやってきて、声を掛けた。
「失礼致します。お連れ様がお見えになりました。」
 山下が「どうぞ」と返事をすると、音もなく戸が引かれ、玲子の姿が見えた。

「遅くなりました。お待たせして申し訳ありません。」
 入り口で頭を下げる玲子に山下は優しく笑った。
「そんなに堅苦しくしないでくれよ。それでなくても社外では久しぶりなのに、緊張するじゃないか。」
 玲子は山下の笑顔につられ、頬が緩んだ。

 2人のやり取りを見ていた部屋係の女性が遠慮がちに声を掛けた。
「お二人がお揃いになられたら、始めてくださいと言われておりますので、お食事をはじめさせて頂いて宜しいでしょうか?」
 席に着こうとした玲子は案内係の話しで、3人分の席があることに気がついた。
「始めはビールでいいかな?」
 山下は玲子に確認し、玲子が頷くのを見届けた部屋係は「では、ご用意させて頂きます」と引き戸を閉めて立ち去った。

 2人きりになった静かな空間をしばらく眺めていた玲子は、山下に話しかけた。
「あれ以来ですね。」
 玲子は新入社員の頃、2人きりで飲みに行ったことを思い出していた。
 山下の優しいキスも忘れていなかったが、玲子はずっと忘れたフリをし続けてきただけで、あの時の思い出は、玲子にとって大事なものとなっていた。

 玲子が始めて自分から「抱かれたい」と感じたのが山下だったのだ。
 しかし、あの一夜のキスだけで、後は上司と部下の関係を2人とも維持させた。
 玲子が社内外の男性と絶妙のバランスを保てるのは、山下のお陰と言っても過言ではない。
 あの夜、山下と肉体関係まで発展していたら、今の玲子はなかったはずなのだから。

「あの頃は可愛らしかったな。今みたいに綺麗になるとは想像出来なかった。」
 山下は後ろめたさを隠そうと笑った。
「ええ、あの頃は純情な乙女でしたから。」
 玲子も大人の台詞を口にし、笑顔でかわした。
 2人とも何1つ具体的には言わない大人の会話をすることで、10年以上の月日を感じていた。

 ビールと食事が運ばれ、山下は話しの本題を切り出した。
「君の仕事ぶりは社内だけでなく、社外でもコンスタントに評価されているな。昔の俺の指導が良かったと、今でも回りから誉められているくらいだからな。優秀な教え子を持って、鼻が高いよ。」
 ふと、目に涙を溜めていた玲子を思い出し、山下は目を細めた。

「あの頃の山下課長の指導が良かったのであって、私が優秀だったんじゃありませんよ。」
 当時の役職名で呼んだ玲子は、山下のグラスにビールを注ぎながら笑った。
「あの頃の酔っ払い娘も酒に強くなったようだなあ。」
 山下は玲子の持っていたビール瓶を取り、返杯を促した。
「ありがとうございます。」
 玲子は両手でグラスを持ち、山下のお酌を受けた。

「ところで、今後、仕事の方はどうしたいと考えている?」
 玲子は山下の真意を量り兼ねた。
「どうしたいと仰いますと・・・?」
 ビールを1口飲んでから、山下は玲子を真っ直ぐに見た。

「誤解しないで聞いてくれるといいんだが・・・。結婚しないつもりなら、もっと出世を狙う気はないのかと、今日の会議の後、話題になったんだよ。」
 瞬きもせず話しを聞く玲子に、山下は言葉を続けた。

「正直に言うよ。女性を先に出世させると、社内の妬みややっかみからくる中傷もあるかもしれない。君の同期の半数はまだ主任だ。君を昇進させることで、また君が泣くハメになるかもしれないと上の方が心配しているんだよ。同期の誰より先に課長代理になったときもそうだったことは、私だけではなく上のものも知っている。君がそれに耐えられるかどうか、本心を聞かせて欲しい。間もなく関根常務もいらっしゃる。それまで考えてみてくれないか?短い時間しかなくて申し訳ないんだが・・・。」

 玲子は山下が呼び出した意味を理解し、もう一人分の席は関根常務のものだと気がついた。
 料亭に入る寸前まで、ほのかに期待していた山下との甘い展開は期待出来ないことにも玲子は気がついたのだが、落胆したことは顔に出せなかった。

 山下は背広のポケットから新しいタバコを取り出して封を切り、中から1本取り出した。
 玲子は山下の手元を見て「山下部長の指先もやっぱり好みだな。何年たっても変わらない。」と思っていた。

 久しぶりに山下と2人きりで会うと、入社当時の初々しい気持ちに戻り、玲子は上気した顔になった。
 グラスに2~3杯のビールで動機がするほど酔うこともない玲子が、山下の前では頬を紅く染めて照れ、恥らう乙女のように見える。
 山下の方も「何年たっても可愛らしい部分は変わってないな。」と感じていた。

 タバコの煙を深く吸い込み、玲子に掛からないよう横へ吐き出した山下の気遣いも、玲子には好ましく映る。
「部長、私も1本、頂いて宜しいですか?」
 言葉は丁寧でも、子供のような無邪気なおねだりの表情を見せて、玲子は笑った。
「お酒が入ると吸いたくなるんですよね。普段はそんなに必要ないんですけど。」

 山下は1本だけずらし、タバコの箱を玲子に差し出した。
「あの時もそんなこと言っていたな。悪戯っ子みたいな顔をして・・・。」
 年数が経ち、年齢と役職が当時と違っても、2人にとっての原点は飲みに行った帰りの夜の、あの切ないキスなのだろう。


------------------------------------------------

玲子の場合 第2章 ACT14 へ・・・

玲子の場合 第2章 ACT12

 新人研修が終わった後の1年間、山下は玲子と同じ部署にいたが、その後本社へ栄転した。

 山下は玲子が現在所属する国内営業統括本部を経て、グローバル統括本部長へと順調に出世していった。
 自分が部長に昇進する時、まだ地方回りをさせられていた玲子の仕事ぶりを社長に報告し、本社へ移動させたのが山下だったが、詫びる気持ちだけで、本社へ呼んだ訳ではない。
 玲子の仕事に対する情熱と才能、成績など全てを見切っての推薦だった。

 玲子の方はその事実を知らない。
 本社勤務になった玲子は山下の期待以上に成績を上げ、実力で今の地位を勝ち取った。
 もう、山下の接吻に震えたあの頃の玲子ではなくなっていた。

 10年という年月の間に、玲子は素晴らしいキャリアウーマンに育っていた。

 猥談化した会議室で、山下は玲子を課長にするために何が足りないのかを考えた。
 前例を破ってまで玲子を昇進させるには、社内で実力ある関根常務の進言が必要ではないだろうか、と山下は考えていた。
 専務の黒岩が社長へ進言しても、社長を説得し切れると山下には思えない。
 社内に専務派の人間が少ないことだけでも、黒岩専務の人望がわかるからだ。
 もし黒岩がこの会議に出席していたら、もっと玲子を辱めるようなセクハラ会議になったかもしれない。

 「専務は仕事もそうだが、女に対しても精力的に動く人だからな。そのくせ女性蔑視で物のように扱う・・・。あの人の手に落ちる女のレベルがわかるってもんだな。」
 山下は関根より早く専務に上り詰めた黒岩の仕事面の評価より、女癖の悪さの方が気になり、女である玲子のことを相談する気にもなれなかった。
 黒岩に相談を持ち掛けたとしたら、「悪いようにしないから」と玲子に言い寄ることを懸念した山下は「頼みの綱は関根常務だな」と、心ひそかに決めた。

 会議室は男たちのくらだない猥談だけで時間が過ぎていく。
「明日の昼休みに、もう1度集まりませんか?名案も出ないようですし・・。」
 山下は卑猥な笑顔を浮かべる総務部長に提案した。
「あっ、そうだな。関根常務のご予定は?」
「私の方は構わないよ。昼頃は社内にいる。」
 いとも簡単に明日の予定が決まった。

 会議が終わり、部屋を出ようとした山下に関根から声が掛かった。
「山下くん、すまないがこっちに来てくれないか?」
 会議室から他のメンバーが出るのを待って、山下は関根の横に立った。
「何か・・・?」

「まあ掛けたまえ。」
 関根から椅子を勧められた山下は、話しが簡単に終わりそうにないと感じた。
「仮に占部くんを課長にした時、他の同期からやっかみで潰されることはないかね?」
 山下は関根常務が玲子を課長にしたいと願っているのを察し、「失礼します」と椅子に座った。

「何かあったとしても、十分に耐えられるだけの精神力も育っていると思いますが。」
「確か、君が新人の占部くんを担当したんだったね。いつまでもあの頃のままじゃないか。」
 関根常務は山下が教育担当だったことを思い出して笑った。
「占部くん自身は今より上のポジションを狙っているような様子なのか?」
 山下は返事に困った。

 玲子本人に出世欲があるのか確認したことがないのもあったが、出世していくと今日のようなセクハラ会議にも出席しなければならないことを懸念していたのだ。

「私は隣のセクションですから、特に確認を取っていません。常務から直接お聞きになったら如何でしょうか?」
 仕事への情熱を玲子から直接話しさせる方が、関根常務の肩入れ度合いが強くなるかもしれないと山下は踏んだ。

「なんでしたら、占部くんをここへ呼びましょうか?」
 山下はお気に入りの玲子を側に呼ぶことで、常務の機嫌が更に良くなることを知っていた。

 手帳をめくった関根常務は残念そうな顔付きになった。
「これから来客があるんだよ。その後となると19時半しか体が空かないんだが・・・。」

 昨日は今日の報告書類のために玲子が残業していたことを知っている山下は、玲子が早めに仕事を片付けて帰るかも知れないと思った。
「今日の慰労を兼ねて、どこか食事に誘っておきますので、常務のお時間が取れるようでしたら連絡ください。」

 関根は思いつたように携帯を取り出し、自分が来客を連れていく予定になっている料亭に、3名分の席を用意するよう連絡を入れた。
「同じ店の中だと時間の無駄がないからな。2人で食事でもして待っていてくれ。」
 関根常務は手帳を閉じた。

 山下は自分の机に戻ると、立ちあがったままになっていたパソコンに向かった。
 隣の課の玲子を堂々と食事に誘うことは、玲子の上司の手前もあるし、周囲の目も気になるところなので、社内メールにした。

 パソコンから目を離し、机で書類を書いていた玲子が、メールのオートチェッカーの点滅に気がつき、顔を上げてパソコンのマウスを持つのが見える。
 山下からのメールの着信に気が付いたようだ。

 玲子はメールの返信も手早かった。
 山下が席に戻って10分もしないうちに、関根常務御用達の料亭での待ち合わせが決まった。

 適当な時間に仕事を切り上げた山下が、先に待ち合わせの料亭へ向かった。

 勘の良い玲子は、山下が直接声をかけて食事に誘わなかったということは、何か公に出来ない話しがあるのだと察していたので、わざと時間をずらし、山下と一緒に会社を出るようなことはしない。

 新人の頃のように、お互いを求めるようなことになるかも知れない可能性は秘めているが、山下が社内で過ちを犯さない男であると信じ直した玲子は、自分の中に涌き出る微かな妄想を打ち消そうとしていた。

 山下が会社の玄関を出る頃、玲子は自分の仕事を片付け始め、化粧を直してから山下の指定した料亭へ向かった。


------------------------------------------------

玲子の場合 第2章 ACT13 へ・・・

<内側にあるもの>

あっちこっちウロウロと、どこのブログを見せてもらっても

管理者(書き手)の中から涌き出るような思いが綴られてる。

昨日と今日で全く違うイメージの記事がUPしてることもあれば

世間からエログと呼ばれていても、表現方法だけ同じ手法を取っていて

その日の意図が違うこともある。

コメントを読むと、記事とは違ったイメージの人も沢山いる。

ブログは中々、奥深いなあ・・・と感じる。


自分の内側にあるものを言葉で整理整頓し、文字に表わすのは難しい。

1つの文章にまとめると、読み手の内側にシンクロするものだけが

クローズアップされていく・・・。

コメントまで読み込むと、その記事の印象がぐっと変わることも良くある。

逆にコメントを入れた人の印象もブログと違ったり・・・。


ブログ(blog)とは、ウェブログ(weblog)を省略した言葉で、日付入りの記事ページを中心としたウェブサイトを指す」(yahooのブログ解説より)

ということは、ある意味日記


それなら自分の思うがままを勝手に書けばいいじゃん、と言うことになる。

ネット上で公開する日記・・・?

見知らぬ誰かに読まれる訳だから、読まれてもいいように書く?

好き勝手に書き散らした結果が(アメブロに住まわせてもらってる限りは)

ランキング順位や訪問者数になって評価されていく。

結果が全く気にならない人は別として

書き続けていくと多少は気になるものだと思う。


自分の回りにいる、現実の友達や知り合いに見せられない何かを

知らない誰かに見られ、評価されるのを覚悟して、書き続ける。

これって羞恥プレイの極地のような気がする(笑)


無論、評価は自分にとって嬉しいものだけとは限らない。

酷評されることもあるだろう。

その酷評が自分にとって耐えられないような屈辱であっても

自分の中から溢れる言葉と思いを止めることが出来ないとき

甘んじて受け留めるのか、聞き流す(読み流す)のか、わからないけど

私はブログに記事をUP(垂れ流し)し続けるだろう。


だって、自分の内側にあるものを吐き出すためにブログを始めたい 

と思ったのだから。


他人の評価は二次産物であって、自分のために始めたのは私。

だから、これからも自己中な文章を書き続けるつもり。

内側から溢れるものがなくなって、枯れ果てたら終わるかもしれないけど。


あ・・・

今日は本当に日記風になってしまった(苦笑)





(・・。)ん?





ということは、アメブロ募集中の「うそ日記」もありなのか・・・?



今度、考えてみよ~っと ̄m ̄ ふふ

玲子の場合 第2章 ACT11

 会議室では玲子の昇進問題についての話し合いをそっちのけで、男同士の飲み屋の会話と間違われるような内容が続いていたが、猥談に参加する気のない山下は、玲子が入社した頃を思い出していた。

 まだ若かった玲子は何事にも熱心で前向きに取り組み、山下の指導を乾いたスポンジのように吸収していった。
 当時、地方の課長だった山下にとって玲子の指導は手応えのある楽しみの1つとなっていった。

 調度今と同じ時期の新人研修が終わる頃、出来の良い玲子を労って飲みに連れて行ったことがあった。
 スタイルも悪くないし、整った顔立ちなのに、やや大人しい印象をかもし出す玲子のことが、山下は可愛くてしかたなかったのだった。

 山下は、チェーン店の居酒屋の広い店内にある個室で、玲子と向かい合って飲むだけで終わらせるつもりだった。
 2時間ほど玲子と酒を飲み、若い子の話題に触れて、山下は今後の若手育成の参考にしようと思っていただけだった。

 居酒屋で1時間半ほど過ぎた頃、玲子が急に黙って俯いた。
「どうかしたの?俺、何か悪いこと言った?」
 山下は不機嫌になった玲子に声を掛けた。
「私、事務を希望していたら良かったんですかねぇ?」
 目に一杯の涙を溜めて、玲子が嘆いた。

 話しを聞くと、玲子だけ月に1回の同期会に声を掛けてもらえてないというのだ。
 新入社員の男性陣は結託して事務や秘書へ回った女の子と毎月飲み会をしているのだが、自分たちにとって玲子が社内のライバルになることと寿退社を考えていないことで、楽しい飲み会の席に玲子は不要と判断したようだった。

 山下は男の気持ちとしてわからなくもなかったが、仕事面では男に引けを取らなくなりそうな玲子をそんなことで差別するのも許せない気持ちになった。
 山下には、自分だけ呼ばれないと悔しがる玲子が不憫でもあり、可愛くも映った。

 ポロポロと悔し泣きし始めた玲子を一生懸命に慰める山下は「俺が泣かしているみたいで、人目につくじゃないか」と店から連れ出し、明るい繁華街から道1本外れたところで一緒に歩いた。

 酔って泣きながら歩く玲子が、山下に謝ろうと立ち止って頭を下げた。
「すみません、泣くつもりじゃなかったんですけど・・・・。」
 頭を下げた拍子に玲子が酔いのせいでよろけたので、山下は「危ない」と手を差し伸べた。
 玲子は山下の腕の中に倒れ込み、転ぶのを免れた。

 山下が玲子を抱き締めるような格好になったのをきっかけに、今まで保ち続けた山下の中の理性がプツッと音を立てた。
 細身に見えた玲子の体は適度な脂肪で柔らかく、山下の腕の中にいる玲子の髪からほのかな香りが漂ってきた。

「すみません・・・。」
 玲子は謝りながら態勢を整えようとしたが、山下は玲子を意識的に抱いて離さなかった。

「もう泣くな・・・。」
 山下の言葉は上司のものではなくなり、玲子の髪に頬を寄せてキスをした。

 玲子の方も腕を振り解くような素振りを見せず、黙って山下の腕の中にいてくれるようだったので、山下は右手で玲子の髪をかきあげ、唇を耳から頬へと移動させてキスをした。
 涙で濡れた玲子の頬はしょっぱい味がした。

 山下が玲子の涙を唇で拭うようにすると、それに応じるように、玲子はマスカラが涙で滲んだ眼を閉じた。
 以前から玲子は、常に理性的な山下に対して、憧れの感情を持っていた。
 それは上司としてではなく、男として見る目だった。

 若さで頬がふっくらと丸みを帯びた玲子の顔を山下は両手でそっと挟み、玲子の震える唇へ優しいキスをしたが、合わさった唇は2秒も立たずに離れて行った。
 山下に理性が戻ったのだ。

「すまなかった。今日のことは忘れてくれ・・・。」
頭を下げる山下に、玲子は黙ったままだった。

「つい、はずみで・・・。」
山下の言い訳を玲子は遮った。
「私、山下課長だったら・・・。」
意外な言葉を発した玲子を、今度は山下が遮る番だった。

「そんなことを言うもんじゃない。こんなことをしておいて卑怯に思われるかもしれないが、社内の人間とそういうことになっちゃいけないんだ。何気ない会話や態度の中にそういう匂いが必ず現れる。必ず回りは感づく。結婚でも考えられる相手ならまだしも、そうでない相手とそういう関係を持たない方が君の将来のためだ。」

 山下は玲子を抱きたい気持ちを抑え、妻帯者の自分へ言い聞かせるように話した。
「は・・い・・・。」
 消え入りそうな声で返事をし、恥ずかしそうに俯いた玲子を、山下は抱き締めたくなる衝動と戦いながら「これでいいんだ」と何度も頷いた。

 たった1度、唇を合わせただけの関係だった。

 その翌日からの玲子は変わった。
 愚痴や泣き言を言わず、淡々と確実に仕事をこなしていく。
 同期会に呼ばれないことも意に介さない様子になった玲子は、仕事場でプライベートを一切口にしなくなった。


------------------------------------------------

玲子の場合 第2章 ACT12 へ・・・

玲子の場合 第2章 ACT10

 上層部の密談は砕けた言葉遣いで行われ、社内の会議室とは思えない雰囲気だ。

「占部くんの大沢指導は成果あったみたいだな。」
「課に戻ると大沢が生き生き仕事しますからねぇ。」
「ほぉ、大沢を食べちゃったってことはないのかね?」
「お堅い玲子女史に限って・・・まさか、そんなことは。」
「大沢は若いし見た目もいいし、さすがの玲子女史も食いつくんじゃ?」
 会議を装ったセクハラとも思える会話が続いていた。

 猥雑な会話を黙って聞いていたのは関根常務とグローバル営業部長の山下だった。

「どちらにしても、占部くんの指導力に問題はなかったということで・・・。」
 山下部長が口火を切った。

「おや?山下部長は占部くんを庇うようにおっしゃいますねぇ。」
「隣の部署ですから、まあ何があっても・・・。」
 下劣な推測の野次が入っても、激高すれば余計に餌食になることがわかっている山下は、何もなかったかのように言葉をつなげた。

「社長はどのようにお考えだと思われますか?」
 山下は関根常務に確認した。
「社長は元々、良い人材に男女は関係ないと思ってらっしゃるんだが、占部くんの同期の男たちから妬みや恨みを買わないかと心配もされているようだ。」

「それでなくても、裏で体を張っているとか言われてるようですからね。」
「社長の愛人説も出たようですね、世間では。」
 勝手なことを口にする他のメンバーを横目に、先程の司会進行役の時とは全く態度を変えた総務部長は卑猥な笑みを浮かべた。
「男に興味なさそうにしていても、案外・・・へっへっへっ・・・。」

 段々、男同士でも聞くに耐えない会話になってきたことに腹を立てた山下は、やや強めの口調で中断させた。
「占部くんのプライベートより、昇進をどうするか決めませんか?」
 関根常務も山下に荷担するように言葉をつなぐ。
「仕事ぶりは問題ない。後は回りとの兼ね合いだな。」

 以前から、関根常務は玲子がお気に入りだった。
 山下もそれは感じていたのだが、今回の昇進の話しの時に関根常務が玲子をプッシュしないことを不思議に思っていた。
「こんな会話が会議の席上で出るような会社だからな。男尊女卑な面が改善されないんだろうな。有能な玲子くんをこのままにしておくのは勿体無いと思わないんだろうか?」
 猥談に講じる役職付きの男たちはさて置き、関根常務への不満に変わって行くような気持ちになり、山下は胸が痛んだ。

 山下が玲子を預かって研修を担当して以来、山下は常に玲子を見守ってきたのだった。


------------------------------------------------

玲子の場合 第2章 ACT11 へ・・・

玲子の場合 第2章 ACT9

 午後からの会議は1時を10分ほど過ぎて開始された。
 現在、本社預かりになっている新入社員は3人。
 入社すぐ、本社で行われる2ヶ月間の初期研修終了後、地方配属にならないと言うことは、選ばれた社員であると言うことでもある。
 ある程度、将来を約束されたエリートへの第一歩なのだ。

 玲子の担当している大沢の報告は3番目だった。
 先に報告予定になっている総務や経理に配属されている、新入社員は業務を覚えた3年目にシステム部へ再配属になることが既に決まっている。
 大沢のように本社の営業へ回されている新入社員は、ある程度の期間、現場で鍛えられた後、本社統括部門への道がほぼ約束されている。
 管理職に向く人間と、そうでない人間をふるいに掛ける意味合いのある報告会を兼ねた会議なので、玲子の報告が大沢の将来を左右するのだ。

 玲子は今日の会議を重たく感じていた。

 先の2名の報告が終わり、指名された玲子は報告書を読み上げて席についた。
 それぞれに書類を確認し合い、内容を吟味しはじめたので室内がざわつく中、関根常務がおもむろに口を開いた。
「大沢くんの仕事に関する習得はわかったんだが、ものの見方や考え方なんかはどうなんだね?」

 玲子は必ず質問されると予想していたが、答えを2つ用意していた。
 1つは大沢の可能性を誉めること、もう1つは未完成な部分があることをありのまま答えること。

 両方を報告することが望ましい教育担当としての姿なのだが、1年近く大沢を指導してきて情が沸いている玲子にとって、ありのままを報告するのは忍びない。
 会議に出る寸前まで迷っていたが、関根常務の質問があって、玲子は腹をくくった。

「1年近く彼を見てきましたが、細やかな配慮と勘の良い部分は客先でも社内でも十分に通用すると思います。仕事上の知識はついたと思いますので、後は実践で自信がつけば、もっと実力を発揮出来るようになれるでしょう。全く正反対のことを示しても、大沢くんは自分の中で消化し、解決する度量も見受けられます。何より、我が社の全体的な方針から外れるような決断はしないと思います。判断に迷う時の指示の仰ぎ方も申し分ありません。」
 玲子は大沢を高く評価した。

「うむ・・・。」
 関根常務は頷くようにして書類に目を落とし、しばらく考えていた。

 玲子は大沢をえこひいきしたように取られてないか不安になった。
 自分では大沢を手放しで絶賛したつもりはないが、情に引きずられたことで後ろめたさを感じたのだ。

 「でも全く嘘の報告はしていない」と玲子は自分に言い聞かせた。
 玲子が大沢の真面目な仕事ぶりに、可能性や将来性を感じたのは事実だ。
 先に報告のあった2名は内勤からの幹部入り候補生で、全社を把握させるのが目的である。
 大沢は営業から叩き上げて対外的な部分を任せ、統括本部を刺激させる存在にさせたい意向であるのを、関根常務から直々に教育係を頼まれた時に玲子は聞かされていた。

 関根常務の期待に添えるような人間に大沢を教育すること、それが玲子に与えられた使命だった。
 勿論、大沢の方も期待を掛けられるだけの人材であった。
 関根常務の人を見抜く目は確かであることを玲子はこの1年で実感していた。

「私に出来ることは全部やったし、私の手を離れてからの方が大沢くんは伸びるかもしれない。報告は間違ってないわ。」
 玲子はそう思い至って、平静を取り戻した。

 考え込んでいた関根常務が本社営業部長に声を掛けた。
「4月移動予定になっている青木くんの後を大沢に任せてみるか?」

 入社5年目で最大手と言われる得意先を任されていた青木は、この4月から地方へ回されることになっていた。
 出来る社員を売り上げの伸び悩んでいる地方へ出すことで修行させる意味合いと、売り上げのUPを狙っているのだ。
 しかし、入社1年目の大沢を大企業の担当にするのは掛けでもある。

「今の大沢に任せても大丈夫だと評価しているのか?そのあたりの君のを聞かせてもらえないか、占部くん。」
 ずっと、売り上げた数字だけが評価される部署で生きてきた営業部長は、玲子に責任を振る腹積もりだ。
 この先1年間ほどのうちに、大手の得意先を相手に大沢が何か失敗すれば、営業部長から玲子が糾弾される。

 追い詰められた玲子は関根常務をちらりと見た。
 関根常務が頷くように目を閉じ、玲子の気持ちを後押しするかのように見えた。
「彼なら大丈夫です。立派にやって行けると思います。」
 玲子はよどみなく、きっぱりと答えた。

「それでは、これでほぼ決まりで宜しいですね?」
 司会進行役になっていた総務部長が会議の締めを宣言した。
「お疲れさまでした。」
 報告の担当になっていた玲子を含む3人が退席した。

 ドアが閉まると同時に会議は次の流れへ向かった。
 議題はただ1つ、玲子の昇進についてだけだった。


------------------------------------------------

玲子の場合 第2章 ACT10 へ・・・

<なりたいもの、なれるもの、なれたもの>

小さい頃から「大きくなったら○○になりたい」と言う夢。

私は欲張りだったから、なりたいものは山のようにあった。

どうしてもなれなかったものは、資格が必要だったりするものだけで

それ以外のいくつかは、形を変えて現実に体験した。

でも、一番長くやっていた職業を取ってみても、今となっては

私は自分を「その道のプロ」と胸を張って言えない。

当時はキャリアウーマンを気取って、仕事が生きがいのように感じていたのに

そんな自信もとっくになくなった。


短期のアルバイトなどで経験させてもらった色んな職業も

なんとなくそこそこ出来る、いわゆる器用貧乏型

自分には全く適性のない業種だと思ったものでも

その世界に入ってしまえば、そこそこ出来るのが良くない。

結局、自分の中で自慢出来るものがないからだと思う。


どんな仕事でもやっていける自信はあるけど

一生をかけるとか、堂々とやりとげるとか・・・

そんな意気込みを見せられるような気迫や気負いもなく

何でも適当に程々にやれてしまう


人生もそこそこ過ぎてしまった今

残された時間で本当になりたいものを見つけることが出来るんだろうか?



ブログな小説を書き綴る隙間に、自分の過去を振り返って

少しづつ整理整頓していこうと思っている。

自分を見詰め直す機会にするために・・・



ブログな小説を期待して、ここを覗いてくれる人には申し訳ないけど

私が迷いの中から脱出出来ずに、もがいて溺れないようにするために

多少、見苦しくても我慢してやってください。

ペコリ(o_ _)o))

<イメージ>

人を観察するとき、顔立ちやスタイルから見ていくのが普通なのだろうけど

私の場合、第一印象は外見や洋服にはあまりとらわれない方だと思う。

目で見える範囲で判断するというより、私はその人の回りから出る

オーラみたいなものを先に感じ取るタイプ。

その人の言葉遣いや喋り方より、持って生れたものと言う方が近いかも?


世間で言うところの直感みたいなものが先にあって

私はそれを裏付けるために、じーっと観察していく・・・。


コーヒー1つ取ってみても、ブラックなのか、砂糖ミルク入りなのか

タバコを吸う人なら銘柄とか・・・吸い方やタバコの消し方まで

相手に観察しているのがバレない程度に、そ~っと見ていると

「ああ、やっぱり・・・」と段々確信に変わっていく。


職業や肩書きなど、後天的要素でオーラが変わっていく人もいるかもしれないけど

今まで私が会った人で、持って生れた色自体に変化を起こしてる人は少ない。


一見、表面的には家庭環境や職業の色に染まって見えるけど

私から見て、その人が根本から変わったのではないように思える。

その人の人柄を理解しようと思う時、根っこになってる部分を見抜けたら

表面上に見える部分は大抵把握出来るもんだと思う。


逆に、その人の表面から入った場合

中々、本質が見えてこなくてイライラの原因になったりもする。


ネットは段々変わりつつあるけど、まだまだ文字が中心の世界。

特にブログ、掲示板などのコミュニケーションツールは

文字の比率が高いと思うので、オーラの読み取りは難しい。


同じ話題を取り上げてて、同じようにシモネタ風になっていても

文字間、行間から滲み出るオーラを受け取ることもある。

猥褻な単語を使った文章でも「この人、頭いいのかも」と感じる文章もあるし

そういう単語を使ってなくても、見るからに下品なものもある。

それは、私が行間などから勝手に受け取るものであって、

文章の構成や言いまわしだけでない何かだと思う。


私にとっては、顔写真や似顔絵をUPしてる人も、してない人も

そういうことは、あまり関係なくて・・・

文字や文章の隙間から出るオーラで印象が変わっていく。

オーラがその人のイメージを作り上げていく・・・。





ブログを始めた私は、他の人からどんなイメージを持たれているんだろうか・・・?

急に不安になってきた。

<日々勉強>

昨夜の宣言通り、アメブロ内を散歩してました。

ちょっとづつ色んなブログを読み歩くと、段々わかってきたこともあって

アメブロのカラーもほんのりわかった感じ。



で・・・色々見て歩いた感想。


私の好みのブログは管理者のオリジナリティがあるもの。

上位にランキングされていようが、いまいが関係なく

その人の人柄や頭の良さやセンスが散りばめてあるブログが好き♪



昨日、読者登録してくださったマミ姉  と こたろうさん  のブログは

他に見当たらないオリジナルな書き方だと思う。

その書き方やスタンスをブログ開始の頃から、ずっと変えないすごい人。

こちらから押し掛けて、無理やり読者登録させて頂いたにも関わらず

コメントへもマメにレス頂いたり・・・

本当に尊敬の一言に尽きます、はい。



もう1つ、私の好きなブログのタイプは、私と違う目線の管理者のもの。

私と全く違う角度から記事を展開させてあるのを見掛けると

つい、読み込んで時間のたつのを忘れてしまう・・・。




ブログを続けていくってことは、まず自己の確立が必要で・・・

自分の内にあるものを文字できっちり展開出来ることが出来てなかったら

読み続けてもらえないものなのかな?と。




まずは自分流のスタイルを確定させること

今日の収穫はこれだった。

・・・がんばろうっと・・・。